肥満細胞とは、皮膚(真皮)の血管や筋肉の周辺、内臓の周辺を始め、体のあらゆる組織に散在している細胞で、骨髄で作られ全身の結合組織で成熟します。この細胞は虫刺されや花粉など、外部から動物の体に侵入する「異物」を感知すると生理活性物質(ヒスタミンやヘパリンなど)を放出し、患部に炎症を起こして免疫機能を高め、その異物を退治したり、鼻水を流させて体外に押し出したりして、動物の体を守る重要な働きをしているものです。肥満細胞腫は比較的よくみられる腫瘍で、その発生率は皮膚腫瘍の13%に当たります。あらゆる部位(
腹部・脾臓・肝臓・腎臓・肺・咽頭・胃腸・リンパ節・骨髄等)に発生し、その約90%は皮膚や皮下組織に発生します。
肥満細胞腫のステージ
【ステージ0】
肥満細胞腫は完全切除が難しい腫瘍で、目に見える病変を切除したが、
顕微鏡による病理検査で病変が残っている状態など。
【ステージI】
腫瘍が皮膚(真皮)の一か所に限局し、周辺に浸潤、波及、転移していないなど。
【ステージII】
腫瘍が皮膚(真皮)の一か所に限局しているが、周辺のリンパ節に波及
している(他に浸潤、転移していない)。
【ステージIII】
腫瘍が皮膚(真皮)のあちこちに多発していたり、周辺組織に浸潤していたりする。周辺のリンパ節に転移がある場合とない場合がある。
【ステージIV】腫瘍の再発や転移が認められ、血液中や骨髄中まで腫瘍細胞が出ているなど。あくまで参考です。他臨床症状によっても分けられます。
臨床症状とは元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢などの目に見える様々な症状のこと。
肥満細胞腫の症状
肥満細胞腫は内臓型と皮膚型に分かれます。皮膚型では腫瘍部分の皮膚が盛り上がりコブのようになっていたり表面が壊死していたり、筋肉が固まる等様々な症状がみられます。主に頭部や首の周りの皮膚に多数の腫瘤が発生し、次第に全身へと広がり、切除しても再発や転移をしやすい腫瘍です。内臓型の腫瘍は、骨髄・脾臓・肝臓・リンパ節・肺・腸が侵されます。又肥満細胞が出す物質(ヒスタミンやヘパリンなど)のために腫瘍の周囲にひどい炎症がおこったり血液と一緒に流れて胃まで行き潰瘍ができ胃が荒れたりします。胃が荒れた場合は食欲不振・嘔吐や吐血・下痢などが見られます。血液凝固異常等によりショックが起こる事もあります。
肥満細胞腫の原因
老化による免疫細胞の低下やウィルス・ストレス・遺伝・化学物質・ホルモン異常等様々な原因があげられています。肥満細胞と言う真皮の血管周囲にみられる細胞が何らかの原因で腫瘍化してしまいます。
免疫が強ければガンにはなりにくく、ガン細胞を排除しようとする細胞の働きが強まります。脂肪腫や腺腫は良性腫瘍に属し、悪性腫瘍は発症部位によって分類します。ガン腫は犬の臓器の表面に並ぶ組織から発症したもの、肉腫は筋肉や血管・骨等の組織に形成されたもの、リンパ腫はリンパ系組織で形成されたものです。
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